今更ながら「嫌われる勇気」という本を読んでみたのでその感想を語る

大学生活

皆さんこんにちは、パンダです。

今回は自己啓発本の中で、一番有名といっても過言ではない「嫌われる勇気」を読んだみたので、その感想を正直に書いていきたいと思います。

「嫌われる勇気」という本を気になってはいるけど、読むかどうか迷っている、あるいはアドラー心理学について興味はあるけど、何から勉強すればいいか分からないという人にぜひ読んでほしい記事となっています。

この本は一言でいうと、「自由と幸せの両方を手に入れるためのヒントが記されている本」です。

私はこの本を読むことで、すべての悩み事についての不安が和らぎ、物事を前向きに見れるようになりました。

これらの文言だけ見ると宗教の勧誘のようで怪しいですが(笑)、手に取る価値のある本だと思います。

この本を読んでみて得られた学びやどのような人にオススメできるかなどを紹介したいと思います。

この記事で分かること
  • 嫌われる勇気の本の概要
  • 嫌われる勇気を読むことでどのような学びが得られるか
  • 嫌われる勇気はどんな人にオススメか
  • 人生を前向きに生きるヒント
パンダ

京都在住の現役京大生・パンダです。

地方の公立高校に通っていた頃、右も左も分からないまま京都大学を目指すも、現役時代は不合格。しかし京大への思いを諦めきれず、浪人を決意しました。

周囲に予備校はなく、金銭的にも他県の予備校に通うのは難しかったため、「宅浪」という選択肢を選び、一年間独学で勉強。その結果、無事に京都大学に合格することができました。

この経験を通して、「受験に必要なのは才能ではなく、正しい情報と継続的な努力」だと実感しました。だからこそ、今は受験生の皆さんに向けて、役立つ情報を発信し、「情報の壁」を少しでも低くしたいという思いで活動しています。

趣味は漫画とアニメの鑑賞。体を動かすことも好きです!

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嫌われる勇気の基本情報とその概要

項目内容
タイトル嫌われる勇気 ― 自己啓発の源流「アドラー」の教え
著者岸見一郎・古賀史健
出版社ダイヤモンド社
発行年2013年
ジャンル心理学・自己啓発
ページ数約300ページ(文庫版)

この本において筆者が主張したいことは以下の三つになります。

  • 人は変われる
  • 世界はシンプルである
  • 誰もが幸福になれる

この到底実現不可能なように見える主張を証明するために、読者の思いを代弁する青年と、それに対して様々な考え方を教える哲人の二人の対話形式でお話は進んでいきます。

上記の三つの主張を実現するための具体的な方策として、哲人は以下の三つの考え方を提案します。

1. 過去ではなく「目的」に注目する(目的論)

アドラー心理学では、過去のトラウマや原因があなたの現在を決定するという考えを否定します。人生は、「何らかの目的」を達成するために、自ら選択するものだと捉えます。

  • トラウマを否定:いかなる経験も、それ自体が成功や失敗の原因ではない。現在の行動は、過去のせいではなく、今の自分が選んだ目的のためにある。
  • 変わる勇気:人はいつでも変われます。変われないのは「変わらない」と決心しているからであり、その目的を変えることで、誰でも自由になれる。

2. 他者の評価を気にしない「課題の分離」

人生の悩みのすべては対人関係に起因します。その悩みを解決し、自由になる鍵が「課題の分離」です。

  • 承認欲求を捨てる:他者から褒められたい、認められたいという承認欲求に囚われると、他者の期待に応えようとして自分の人生を生きられなくなり、不自由になる。
  • 課題の分離:物事が「誰の課題か」を明確に線引きする。
    • 他者の課題(例:他人が自分をどう思うか)には介入せず、自分の課題(例:自分がどう行動するか)にも他者を介入させない。
  • 嫌われる勇気:他者の評価を気にせず、自分の生き方を貫くには、嫌われるかもしれないというコストを支払う勇気が必要である。

3. 「貢献感」と「いま、ここ」を生きる(共同体感覚)

課題の分離によって得た自由は、自己中心的になることではなく、他者との健全な関係(共同体感覚)を築くためのものです。

  • 他者貢献:自分の存在や行動が「誰かの役に立っている」と思えたとき、私たちは自分の価値を実感し、真の勇気を得られる。これは自己犠牲ではなく、自分の幸せのために行うもの。
  • 人生は競争ではない:他人との優劣を競うのではなく、誰もが仲間であるという共同体感覚を持つこと。
  • 「いま、ここ」を生きる:人生は目的地へ向かう線ではなく、連続する「いま」という刹那(瞬間)である。過去や未来の不安に囚われず、この瞬間に最大限の貢献をすることに集中する。

つまり以上の主張を簡潔にまとめると、

  • 過去の経験(トラウマ)が原因で「今の自分」があるという原因論を捨て、目的論を採用することで、人は変われます。
  • 人間関係の悩みをシンプルに整理し、他者の期待から解放される課題の分離によって、世界はシンプルになります。
  • 他者貢献を通じて、自分の価値を実感し、共同体の一員として「ここにいていい」と感じられることで、幸福が実現します。

これがこの本で伝えたいことになります。

パンダ
パンダ

対話形式で説明されているので、理論の理解はしやすかったよ!

『嫌われる勇気』を読んでの感想と得られた学び

自分の考えを覆す衝撃と、極論への違和感

『嫌われる勇気』を読み終えて最初に感じたのは、自分の考えを根底から覆されるような衝撃でした。

本書の中でたびたび登場する「激薬(げきやく)」という言葉がまさにふさわしく、読者の固定観念を一度壊してから再構築させるような力を持っていると感じました。

一方で、内容の中には極端に感じる主張もいくつかあり、全てを無条件に肯定することはできませんでした。

特に印象的だったのは「トラウマは存在しない」という考え方です。

これはアドラー心理学の「目的論」から導かれる主張で、「過去の出来事(原因)ではなく、これからどう生きるか(目的)」に焦点を当てています。

しかし現実には、事故や事件などの経験によって行動が制限される人もおり、「トラウマは存在しない」という断定はやや極端だと感じました。

とはいえ、このような極論的な主張があるからこそ、読者自身が「本当にそうなのか?」と考え、自分の思考を深めるきっかけになるとも思います。

おそらく著者は、あえて強い表現を使うことで、読者に思考の対話を促しているのではないかと感じました。

最も心に残った「課題の分離」という考え方

本書で特に衝撃的だったのは、「課題の分離」という考え方です。

これは、問題が起きたときに「この問題の結末を最も強く受けるのは誰か?」を考え、その問題が誰の課題なのかを見極めるというものです。

たとえば「子どもが勉強しない」という問題の場合、最終的にその結果に影響を受けるのは子ども自身です。

したがって、親が「勉強しなさい」と強く言い続けるのは、他者の課題に踏み込む行為となります。

親ができるのは、学習環境を整えたり、勉強の楽しさを伝えることまで。

行動そのものを強要するのは越権行為だとアドラーは説きます。

人間関係における課題の分離

この考え方を人間関係に置き換えると、「人にどう思われるか」「嫌われるかどうか」は他人の課題であり、自分がコントロールできる範囲ではない、ということになります。

つまり、他人の評価を恐れて行動を制限する必要はないということです。

もちろんこれは「人の目を一切気にせず、自己中心的に生きろ」という意味ではありません。

あくまで「他者の感情は他者の責任であり、自分の責任ではない」という線引きをすることで、健全な距離感を保ち、自分の人生を主体的に生きるための考え方です。

実践して感じた変化と課題

実際にこの「課題の分離」を意識して生活してみると、驚くほど気持ちが楽になったと感じました。

人の目を気にしていた場面でも、「これは自分の課題ではない」と切り替えることで、不必要なストレスを減らすことができました。

ただし、長年染みついた「他人の目を気にする習慣」はすぐには変わりません。

だからこそ、何か問題が起きるたびに「これは誰の課題か?」と意識的に自問することが重要だと感じています。

課題の分離は“冷たい考え方”ではない

誤解してはいけないのは、「課題の分離」は決して他人を突き放す冷たい考え方ではないということです。

本書では、他者の課題に対して“援助する”ことは肯定されていると書かれています。

つまり、「他人の課題を自分の判断で代わりに行う」のではなく、他人が自分で課題を解決できるよう支えるという姿勢です。

これはまさに「尊敬と信頼」に基づいた人間関係の在り方だと思いました。

まとめ:考え方を広げる“激薬”のような一冊

『嫌われる勇気』は、時に極端で刺激的な主張を含みながらも、最終的には自分の生き方を見つめ直すための鏡のような一冊でした。
ときに「極論」に見える部分こそ、思考の幅を広げ、自分の中に新しい価値観を芽生えさせる“激薬”なのだと思います。

嫌われる勇気をオススメしたい人

● 他人の目を気にして生きづらさを感じている人
他人の評価を気にして行動できない、嫌われるのが怖い――そんな悩みを持つ人にこそ、この本は強く響きます。
「人が自分をどう思うかは他者の課題」という考え方を理解することで、人間関係における不必要なストレスから解放されるきっかけを得られます。

● 自分の人生を他人の期待で決めてしまう人
親・上司・友人などの期待を優先して生きている人は、「自分の課題」と「他人の課題」を混同しているケースが多いです。
本書の「課題の分離」という概念を知ることで、自分の人生のハンドルを他人に渡さないという生き方が見えてきます。

● 人間関係に疲れてしまった人
「相手のために良かれと思ってしたことが裏目に出る」「他人に踏み込みすぎて関係が悪化する」といった経験がある人には、アドラーの考え方が特に有効です。
本書では「他者の課題には援助はしても、介入はしない」という立場を提示しており、健全な距離感で人と関わるヒントを得られます。

● 自己啓発書を読んでも行動に移せなかった人
多くの自己啓発書は「ポジティブになろう」「努力しよう」と励ましに終始しますが、『嫌われる勇気』はその根底にある考え方の構造を変えるアプローチを取ります。
行動を変えるために必要なのは“考え方の再構築”であると気づけるため、これまで自己啓発に挫折してきた人にもおすすめです。

「トラウマ」や「過去」に縛られていると感じる人
過去の経験が今の行動を制限していると感じる人にとって、「トラウマは存在しない」という主張は一見過激ですが、“過去よりも今どう生きるか”という視点の転換を促します。
もちろんすべてを肯定する必要はありませんが、この考え方に触れることで、前を向く力を得るきっかけになるでしょう。

● 哲学的な思考や心理学に興味がある人
本書は物語のような対話形式で進むため、哲学書のように難解ではなく、読みやすく整理されています。
心理学や哲学に興味があるけれど「理屈だけの本は苦手」という人にも、日常に活かしやすい思考法として理解できる構成になっています。

自分の考え方の枠を広げたい人
私の感想にもある通り、この本は“激薬”のように刺激的です。
中には極論と思える主張もありますが、それゆえに「本当にそうなのか?」と自分で考える余地を残してくれます。
つまり、『嫌われる勇気』は正解を与える本ではなく、思考を鍛える本
思考の幅を広げたい人、自分なりの答えを見つけたい人に最適です。

まとめ:考え方を広げる“激薬”のような一冊

  • 過去の原因で今が決まるという原因論を否定する
  • 人はいつからでも変わり自由になれるという目的論を採用する
  • 人生は「変われない」と決心しているだけで誰でも変えられる
  • 人生のあらゆる悩みはすべて対人関係に起因すると捉える
  • 他者からの承認を求める承認欲求を捨てることの重要性
  • 人間関係の悩みを解決する鍵は課題の分離という考え方である
  • 物事が誰の課題かを明確に線引きし他者の課題には介入しない
  • 嫌われるかもしれないというコストを支払う勇気が必要になる
  • 課題の分離は他者との健全な関係を築くための入り口にすぎない
  • 自分の存在が誰かの役に立っていると感じるとき真の勇気を得る
  • 自分の価値を実感するためには他者貢献が必要になる
  • 他人との優劣を競うことなく誰もが仲間である共同体感覚を持つ
  • 人生とは過去や未来ではなく「いまここ」の連続した刹那である
  • 思考の幅を広げ自分の生き方を見つめ直す鏡のような一冊となる
  • 生きづらさを感じ他人の目を気にしてしまう人に強く響く内容

↓嫌われる勇気の続編版

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