北海道の雄大な大地に位置する北海道大学は、旧帝大の一角を占める日本屈指の総合研究大学です。
その広大なキャンパスと自由な学風は、多くの受験生にとって憧れの的となっています。
総合大学としての網羅性に加え、農学、理学、獣医学など、北海道という地域性を生かした特色ある分野で世界的な研究成果を上げています。
この記事は現役京都大学生の筆者が、北海道大学の特徴、偏差値、入試傾向を徹底分析し、合格をつかむための対策までを具体的かつ正確に解説します。
- 北海道大学の特徴や特色
- 北海道大学合格の難易度
- 北海道大学の入試傾向
- 北海道大学合格のための対策
大学概要・特徴

北海道大学(ほっかいどうだいがく)は、札幌市北区にメインキャンパスを構える国立大学です。
1876年に設立された札幌農学校を前身とし、その歴史と伝統は日本の近代化に大きく貢献してきました。
基本情報と学部構成
本拠地は札幌キャンパスで、JR札幌駅から徒歩圏内というアクセスの良さも魅力です。
もう一つの函館キャンパスには水産学部が設置されています。
北海道大学は、文学部、教育学部、法学部、経済学部、理学部、医学部、歯学部、薬学部、工学部、農学部、獣医学部、水産学部の12学部を擁する総合大学であり、これは旧帝大の中でも有数の規模です。
学問的特徴と地域性
北海道大学の特徴として特に知られるのは、農学や獣医学、そして理学部の地球科学系など、北海道の風土と密接に関わる分野の強さです。
広大な北海道大学の敷地内には、農場や演習林、研究施設が点在し、実際のフィールドワークを重視した教育・研究が行われています。
大学の理念である「フロンティア精神」「国際性の涵養」に基づき、自由闊達な雰囲気の中で学際的な研究が盛んです。
北海道大学の学部はすべてハイレベルですが、全国的に見ても獣医学部や農学部は最難関クラスに位置づけられます。
北海道大学の偏差値は、東日本の旧帝大の中では東北大学と並び称されるレベル感であり、全国の国公立大学でトップクラスの難易度を誇ります。
学生の雰囲気
北国ならではの穏やかで落ち着いた学生が多く、自然と学問に打ち込める環境です。
寒さに強く、広いキャンパスを自転車で移動する学生の姿も象徴的です。
入試制度と難易度

北海道大学の入試は、国公立大学の一般的な形式である共通テストと二次試験の合計点で合否が決まります。特に二次試験の比重が高く、記述・論述式の対策が合否を分けます。
共通テストと二次試験の配点
学部や学科によって配点は異なりますが、多くの学部で共通テストと二次試験の比率は概ね1:1から3:2程度で、二次試験の方が高い配点となる傾向にあります。
- 共通テスト: 5教科7科目(学部によっては6科目)が基本で、バランスの取れた学力が求められます。
- 二次試験: 記述・論述式の科目が中心で、英語、数学、国語、理科から学部ごとに指定されます。例えば、理系学部では英語・数学・理科2科目が課されることが一般的です。
北海道大学の偏差値とボーダー
予備校のデータ(河合塾・駿台など)を参考にすると、北海道大学の偏差値はおおよそ57.5~65.0程度(学部学科により変動)で推移しています。これは、東大・京大・旧帝大の中でも上位に位置し、難易度は非常に高いと言えます。
共通テストボーダーは合格者の平均点で78%〜85%程度が目安となることが多く、北海道大学 ボーダーラインは高い水準にあります。
受験生は、必ず各予備校や大学が公開する最新のデータ(例:河合塾 Keinet、駿台 )を確認し、目標得点を設定してください。
学部間の難易度差
医学部の医科、獣医学部が最も難易度が高く、次いで薬学部、理系の総合理系、工学部などが続きます。(出典:マナビジョン)
文系では法学部や経済学部が人気で競争率も高めです。
北海道大学の難易度を全体で見ると、難関国立大学の中でも京大や東大に次ぐ、旧帝大らしいレベル感です。
(現役京大生の視点から見ても、北海道大学の二次試験は基礎力の徹底と応用的な思考力を試す良問が多く、非常に高度な対策が求められます。)
出題傾向と対策

北海道大学の入試傾向は、奇問・難問よりも、良質な基本問題をベースに応用力と論理的な思考力を問う問題が多いのが特徴です。
過去問演習を通じて、問題形式に慣れ、制限時間内で答案をまとめ上げる訓練が不可欠です。
英語の出題傾向と対策
北海道大学の英語は、長文読解、和訳、英作文、自由英作文が出題されることが多く、高い総合力が求められます。
- 出題傾向: 長文読解はアカデミックなテーマが多く、語彙力と文脈把握力が重要。和訳・英作文は日本語力と正確な文法知識が問われます。
- 問われる力: 難解な構文を正確に理解し、それを論理的な日本語や英語で表現する力。
- 推奨教材と勉強法: 『速読英単語 必修編』などで語彙力を固めつつ、構文解釈系の参考書で正確な読解力を養成。
英作文は『竹岡広信の 英作文が面白いほど書ける本』などを用いて、過去問で出題されたテーマを中心に添削指導を受けることが効果的です。
数学の出題傾向と対策
理系・文系ともに数学が課されます。北海道大学の数学は、標準〜やや難のレベルで、応用的な思考力が問われます。
- 出題傾向: 広い範囲からバランス良く出題されますが、微積分、ベクトル、確率(理系は複素数平面も)が頻出です。特に論証力を問う問題が多いのが特徴です。
- 問われる力: 公式を覚えているだけでなく、問題の本質を見抜き、論理的な筋道を立てて解答を記述する力。
- 推奨教材と勉強法: 北海道大学の対策として、『青チャート』や『1対1対応の演習』などの網羅系参考書で基礎を徹底した後、過去問演習に移り、記述の仕方を学ぶのが王道です。
現役京大生として言えるのは、難関国立大の問題は「いかに深い思考力と、それを表現する記述力があるか」を共通して問うています。
国語の出題傾向と対策
文系学部で課されます。現代文・古文・漢文から構成されます。
- 出題傾向: 現代文は比較的長文で、論理的な読解力と要約・記述力が求められます。古文・漢文は標準的ですが、文法・句法の正確な知識が必要です。
- 問われる力: 文章全体の構造を把握し、筆者の主張や登場人物の心情を的確に把握し、設問の意図に沿って簡潔にまとめる力。
- 推奨教材と勉強法: 現代文は要約の練習を重ね、過去問の記述問題の模範解答を徹底的に研究。古文・漢文は基礎的な単語と文法・句法を完璧にすることが最優先です。
理科・社会の出題傾向と対策
理科(物理・化学・生物)は理系学部で、社会(地理・歴史・公民)は文系学部で課されます。
- 出題傾向:
- 理科: 標準的な問題が中心ですが、現象の理解を問う記述問題や応用計算が含まれます。実験考察系の出題も多く、丸暗記では対応できません。
- 社会: 史料・資料を用いた問題や、論述問題が出題されます。特に北海道大学の地理では、地域性を意識した問題も見られます。
- 問われる力:
- 理科: 基礎的な原理原則を応用し、未知の状況にも対応できる柔軟な思考力。
- 社会: 知識を背景に、歴史的・地理的・社会的な事象を多角的に分析し、論理的に説明する力。
- 推奨教材と勉強法: 理科は、基礎的な問題集(『重要問題集』など)で徹底的に演習し、過去問を通じて時間配分を意識。
社会は、用語暗記だけでなく、教科書を熟読して知識を有機的に結びつける訓練が必要です。
合格するための勉強法

北海道大学合格のためには、共通テストでしっかりとボーダーを超えつつ、二次試験で高い得点率を確保する戦略的な勉強法が必要です。
目標得点と配点意識
| 試験 | 目標得点率(目安) | 意識すべきこと |
| 共通テスト | 80%〜85% | 北海道大学の対策として、どの科目も大きな失点なく安定して得点できる基礎固め。 |
| 二次試験 | 60%〜70% | 配点が高い科目を特に強化し、論理的な記述で部分点を確実に稼ぐ。 |
二次試験の配点比率が高いことを意識し、高校3年生の夏以降は、過去問を中心とした二次試験対策に多くの時間を割くことが北海道大学合格への近道です。
学習計画と時間配分
- 高2まで: 全科目の基礎の徹底を最優先。特に英語と数学は、北海道大学入試の核となるため、苦手分野を作らないことが重要です。
- 高3・夏まで: 共通テスト対策と並行して、二次試験の標準問題集を周回し、基礎から応用への橋渡しを完成させます。
- 高3・秋以降: 過去問演習に集中。北海道大学の出題傾向を掴み、時間を計って解く練習を徹底します。特に二次試験の記述力を磨き上げます。
筆者自身、京都大学を目指していた時も“基礎の徹底”が最重要でした。
北海道大学の入試も例外ではなく、難しい問題に手を出すよりも、教科書レベルの原理原則を深いレベルで理解しているかが問われます。
効率的な勉強法・教材
- 模試の活用: 駿台・河合塾などの難関国立大模試は、自分の立ち位置や弱点を正確に把握するために有効です。ボーダーラインとの差を意識して、常に目標を明確にしましょう。
- 過去問の活用: 北海道大学の過去問は、最低でも10年分を3周は解き、出題傾向と時間感覚を体に染み込ませます。解きっぱなしにせず、採点基準を意識した復習が対策の鍵です。
- 記述・論述対策: 学校や予備校の先生に添削を依頼し、自分の記述の論理的な欠陥や日本語表現の不備を指摘してもらいましょう。
関連する情報↓
模試の解き直しのやり方を完全攻略!合格へ導く科目別徹底解説
京大合格者の過去問完全ガイド|いつから?何年分?どこまでやる?
【独学×宅浪必見】一人でもできる英作文の添削方法三選!
学生生活・キャンパスの雰囲気

北海道大学の学生生活は、その恵まれたキャンパス環境と自由な学風が大きな魅力です。
札幌キャンパスの魅力
メインの札幌キャンパスは、東京ドーム約38個分という広大な敷地を持ち、豊かな自然に囲まれています。有名なポプラ並木や、札幌農学校時代からの歴史的建造物が残る美しい景観が特徴です。
- 立地・アクセス: JR札幌駅から徒歩7分、札幌市営地下鉄北12条駅に直結しており、非常に交通アクセスが良いです。札幌市の中心部にありながら、一歩キャンパスに入ると静かで落ち着いた環境で学べます。
- 周辺環境: 札幌駅周辺には商業施設や飲食店が充実しており、学生生活を送る上で不自由はありません。
学生の気質と雰囲気
北海道大学の学生は、一般的に真面目で落ち着いた気質を持つ人が多いです。
自由な学風のもと、自分の研究や趣味に没頭する学生が多く、サークル活動も盛んです。
地方国立大らしい、地域に根差した温かい雰囲気があり、卒業生も北海道内外で活躍しています。
キャンパス内には恵迪寮(けいてきりょう)などの学生寮もあり、多様な価値観を持つ学生との共同生活を通じて、人間的な成長を遂げられる場ともなっています。
まとめ
北海道大学は、その歴史と広大なキャンパス、そして獣医学や農学をはじめとする研究力の高さが特徴の、日本を代表する難関国立大学です。
難易度は旧帝大の中でもトップクラスであり、合格には共通テストボーダーのクリアに加え、二次試験での記述・論述力が鍵となります。北海道大学の入試傾向を把握し、過去問を中心とした戦略的な対策と勉強法を徹底することで、合格はぐっと近づきます。
現役京都大学生の筆者が執筆したこの記事が、あなたの北海道大学合格への一歩を力強く後押しすることを願っています。




コメント